資金を使わずに、持続可能な市場を再構築・創造することは可能か?

こんにちは。篠原肇(@HajimeShinohara)です。

今までベンチャースポーツ(マイナースポーツ)について、書いてきました。その発展に向け、日本代表倶楽部を創立し、運営しています。これはとある仮説に基づいています。

無名な競技の業界は、客観的に見れば、「緊急でなく重要でもない」という見方をされます。このため、他の分野の比べても、最も資金が集まりにくい領域の一つと言えます。そのような領域では、外部に頼ることができないため、関係者が自らどうにかしていかなければならない必然性があります。よって発展には、特に最初は全くと言っていいほどお金をかけることができません。これを解決するには、次の命題が浮かび上がります。

一般的に「全くと言っていいほど、初期投資を行わずに、市場の再構築や新たな市場の創造は可能か?」
これに対し、私は、

「うまく工夫をすれば、初期投資はほぼなしでもできるのではないか?」
というおおまかな仮説を立てました。

今回ひたすら話していくと疲れるでしょうから、とある著名な”物理学者”風に行きたいと思います。彼です。

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【福山雅治】ガリレオ・湯川学教授による深すぎる名言集のまとめ|MARBLE [マーブル]

さて帝都大学准教授、湯川学先生もおっしゃっていたように、「仮説は実証して初めて、確かなものとなる」ので、仮説には実証が必要です。

ベンチャースポーツ

これには私が上記のようにスポーツを丁度取り組んでいたのが(まだ現役です)、丁度状況に合うでしょう。よってベンチャースポーツを題材にします。

ベンチャースポーツに関しては以下の制約がありました。

  • 全くお金がなく、お金になりにくい分野
  • あるのはユニークな競技と、競技者・協会のみ
  • 個人的ですが私が日本在住ではないので、できることはウェブ上のみ

これに対して必要な条件は以下です。

  • スポーツ分野の特性上、持続可能である必要がある
  • お金はかけられない

では「全くと言っていいほど、お金をかけずに、持続可能なシステムを作ることができるか?」という問いがあがりました。これに応えるために使ったのは以下の経験の組み合わせでした。

  • 2競技の日本代表選手経験
  • 持続可能性・サステナビリティの考え方
  • Bottom Of economic Pyramid (BOP)ビジネスの考え方
  • 自給自足
  • ウェブ構築

まず、全く異なる無名な競技2競技で日本代表の経験をしたことと、他の協会の話を聞いたところによると、共通する状況は非常に似通っているということがわかりました。

持続可能性・サステナビリティは、主に持続可能エネルギーに使われますが、化石燃料などに頼らずに電力をまかなう方法です。ここでは「外部に頼らずに、持続でき、継続的に成長すること」とします。

特に発展途上国の一部地域で、経済的に貧困な地域でのビジネスをBOPビジネスと言います。このエリアでは、社会を救済しつつ、収益をを上げる社会起業が発達しています。その中でも代表的な例が、ノーベル平和賞を受賞しているバングラディッシュのグラミン銀行です。これは、「救済という視点ではなく、融資を小口化し、市民に労働させることにより意識と行動を改革し多くの人を貧困から脱出させた」という考えです。

デンマークをはじめとして最近では、世界各国にヒッピー村・自給自足の村がありますが、同様に、自分に必要なもの(栄養)は自分で作ることがあげられます。特に最初の状態では外部に頼ることは不可能でしょう。

以上は思考背景ですが、最今回使うツールはウェブです。ウェブサイト上に構築します。以前までは大口の個別のスポンサーがつかない限りは厳しかった状況が、Google Adsenseの登場以降、個人でも広告収入を得ることができるようになりました。これに加え、Facebookの広告では個人でも一日100円程度からでも広告を出すことができるようになりました。さらにターゲットを絞ることで、興味がありそうな人に狙い撃ちし、特に初期は効率的な宣伝ができます。

ここで特に無名競技のベンチャースポーツ(マイナースポーツ)についてみていくと、現在あるものは

ユニークな競技と、それに取り組む選手と協会、日本代表のブランド

だけです。収入源はありません。特にこの分野は、仮に大きくしたとしても市場価値がどれくらいまで大きくなるかが不透明で、そんな不透明な領域に出資をしたがる人もいないでしょう。特に最初の段階ではなおさらです。現状として各競技の代表選手や協会は、個人のSNSやブログで発信しているものの、内輪である感が否めません。現状、なんでもいいから「日本代表」に興味があるという人は、結構な数に上ります。(マイナースポーツ関連で最上位表示されている本ブログの解析実績)

ではこれをうまく協力するようにし、協力したことにより生じた利益を、さらに再投資することで、市場を大きくすることはできるのではないか?と考え作ったのがこちらのサイト日本代表倶楽部です。

日本代表倶楽部

日本代表倶楽部 あらゆる日本代表を応援する参加型ポータルサイト

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このサイトは、日本代表に関する事柄を広く扱うウェブサイトです。関係者が無料で記事を書くことができます。Googleアドセンスで得られた収益は、全てFacebookのターゲティング広告に再投資します。よって記事が増え、投稿者が増えるほど、アクセス数が増え、さらに持続的・継続的に大きくなっていきます。(図を書こうとしたが少し難しかった。)実際に現状では順調に大きくなっています。

メディア

このサイトをメディアとしてみると、オウンドメディアに近いでしょう。ただ所有者は企業ではなく、成長させたい分野ということになります。さらに一般的に企業のオウンドメディアの場合は、売りたい商品が存在するかと思いますが、この場合はありません。よってサイトの力を自ら宣伝することによって影響力を増す必要があります。

無償で様々な人に書いてもらうという意味では日本代表に関して取り扱うハフィントンポストのブログ欄に近い形式です。

学術的な側面

これは私の勉強不足で大変申し訳ないのですが、こういった方法に経済学的なモデルの名前がついていたりするのでしょうか?また栄養と土地が無限にあり、天敵が存在しない場合は半永久的に種が反映するという生物学的・農学的な見方もできそうです。探したのですが出てこなかったので、ご存知であればお教えいただければ幸いです。

視聴者数や広告収入という意味での影響力は、時間とともに増加する時間r=atを半径とする球体の体積のように増加していくと理論上は予想はできます。

ボランティア

ただし、お気づきのことかとは思いますが、取り組んでいる本人は、無収入です。完全にボランティア。特にやり始めのころは全く収益が見込めません。よって興味がある人が趣味でやったほうがいいというのはこのためです。

このモデルによる利点

このモデルが有効であることが示せると、世界中で同じような状況だと考えられるベンチャースポーツ・マイナースポーツの業界で有効です。ほかにも、資金がないことや利益が薄いことが主な理由でうまくいっていなかった業界の立て直しや新市場創造に有効と言えます。

GoogleアドセンスとFacebook広告を使うことで個人でも市場を創造することがしやすくなったともいえるでしょう。

ベンチャースポーツ・マイナースポーツよりも資金がない分野はなかなかないでしょうから、ほかでも細かな適合や修正は必要でしょうが、本質的に言って有効である可能性は高いです。

無料・少資産

このモデルの最も重要な点は、初期投資をほぼゼロで始められるところです。たびたび紹介してきたベンチャースポーツに代表される元々資金が乏しい業界で、初期投資を求めるのは厳しいでしょう。必然的に初期投資を自己負担またはゼロで始める必要性が出てきます。今までやってきているように、この方法は資本金がほぼ不要です。正確に言えば、ウェブサイトのサーバーやドメイン代で年間で1-2万円程。

管理費用よって、個人のサイト構築力や文章作成能力以外で、自分の労力以外のコストはかかりません。趣味でやれる範囲から始められます。ノーリスクで大なり小なりリターンがあります。日本代表倶楽部の場合は、分野の活性化が目的なので、リターンをさらに宣伝に再投資しています。よって理論的には雪だるま式に大きくなります。

メンタル面

これは、様々な人の協力があってできていることですが、協力者の人々も、自分たちがやっていく必要があることを自覚するでしょう。

またこのモデルではBOPビジネスで、自分たちが働く気になったように、自分たちが記事を書く必要があるために、全く知らない人へ向けて起承転結を考え説明をする練習になります。科学技術研究では、専門外の人に分かりやすく発表することは、アウトリーチと呼ばれますが、本質的に同じです。普及活動には必須です。本サイトに参加することにより、無料で影響力が強いサイトに宣伝ができ、宣伝の練習もでき、さらに知名度と影響力が増していきます。参加者としても悪いところは全くないでしょう。

終わりに

こういう形のマーケティング手法があるのかどうかはわかりませんが、もし確立されていないのであれば、ゼロをイチにする典型的なやり方のひとつのモデルとして利用できるでしょう。またすでに確立されている場合には、スポーツ界に使える具体例として利用できるでしょう。

個人的に探してみましたが、見当たりませんでした。やはりなかなかないのではないでしょうか?というのも、よっぽどの理由がない限り、わざわざ収益の見込みがないところで、なかなかいないでしょう。

「あり得ない?あり得ないなんてありえない。」ということで、サチュレーション(飽和)がどこで起きるか、このままやっていて収益が十分か、などの懸念はありますが、今のところは順調に大きくなっています。

これもどこかで頭打ちにはなるのでしょうが、その頃にはこの試みで最も重要であった「ゼロから初めて、ゼロ投資で新たな価値を創造する」という部分は成功しているといえます。

さてどこまで行くかはわかりませんが、現代の化学が、結局成功はしなかった鉄から金を作り出そうとした錬金術による試行錯誤の恩恵を受けていることから、もし得られた結果が芳しくなくとも、少しは意味のある試みであると思っています。

よってどう転んでも、次の一言がいえそうです。

「実に面白い」

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